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名古屋空襲 忘れない

2012年03月01日  朝日新聞

「名古屋空襲を語る」のオープニング=名古屋活動写真提供

●専門学生・講師ら制作
【70人の回想 記録映画に 19日、名東区で上映】

 太平洋戦争末期、名古屋市で8千人近い犠牲者を出した名古屋空襲から67年。大空襲の一つがあった19日、名古屋市名東区よもぎ台の「戦争と平和の資料館ピースあいち」で、ドキュメンタリー映画「名古屋空襲を語る〜今を生きる人へ」が初めて上映される。

 映画を制作したのは、名古屋市中区の専門学校「名古屋ビジュアルアーツ」の講師や学生らによるグループ「名古屋活動写真」(森零(もりぜろ)代表)。名古屋開府400年の2010年、名古屋に伝わるからくり人形の山車のドキュメンタリーを制作した時、多くの山車が空襲で焼失したと知ったことがきっかけだった。
 昨年2月から、体験者約70人に空襲の恐ろしさを回想してもらい、当時の映像も集めた。完成した作品は約1時間。名古屋が繰り返し激しい空襲を受けたのは、三菱重工名古屋発動機などがあって航空機産業の中心地だったためという背景も紹介する。
 当日は午後5時半から、ピースあいち前の平和地蔵の周囲に100個のともしびを点灯して追悼法要があり、午後6時から上映が始まる。参加無料。
 名古屋活動写真は、名古屋の山車の取材も続ける。半世紀ぶりに山車のおはやしを復活させた市民を追った「七間町 橋弁慶車 お囃子(はや・し)の復活」(35分)も完成し、3日午後2時から名古屋市西区の西区役所講堂で初上映される(参加無料)。(山吉健太郎)