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名駅経済新聞

 

名古屋の山車のドキュメンタリー映画自主制作−伝統と魅力を後世に伝える

20100609日) 

「名古屋活動写真 プロジェクト」代表の森零さん

 名古屋の山車にスポットを当てたドキュメンタリー映画の自主プロジェクト「名古屋活動写真 プロジェクト」が現在、進行している。

 同プロジェクトは、昨年から撮影を始め今年1月末に完成した円頓寺商店街、四間道(しけみち)などの名駅エリアを舞台とした映画を手がけた「円頓寺活動写真」をベースに立ち上げた。代表は同じく、名古屋ビジュアルアーツの映像講師で「零屋(ゼロヤ)」店主の森零さん。

 「名古屋活動写真 プロジェクト」では、名古屋の山車の伝統と魅力を後世に残す目的で山車の歴史、エピソード、祭りの様子、取り組みなどをまとめたドキュメンタリー映画を制作。「円頓寺活動写真」がメディアに取り上げられたことをきっかけに零さんが映画制作を手がけていることが山車の保存会に伝わり、同プロジェクトの話が来たという。名古屋ビジュルアーツなどの協力を得て、今年1月から撮影を開始した。

 山車は新出来町の「鹿子神車」、出来町の「河水車」、筒井町の「神皇車」など各地域で13台が存在するが、「名古屋の人でも知らない人は多い」と零さん。筒井町在住の零さんは、法被を着て筒井町の山車に付いて歩いていたという。「岐阜県の高山の山王祭、八幡祭という山車祭りは海外観光客も訪れるほど有名。名古屋をはじめ全国、世界に向けて伝えていきたい」(零さん)。「300年の歴史があるものを、口から口へ、手から手に伝え、ずっと大事にして守り続けていることに魅力を感じる。保存するためには人が必要だが、少子化などで人が少なくなっている。かかわっている人を増やすために広い範囲の人々に知ってもらいたい」とも。

 56日に徳川園(名古屋市東区)で行われた「徳川園山車揃え」で撮影を行った。にぎわう会場、大歓声が起きるからくりの演目、迫力ある山車の動きなどを撮影。1016日・17日に開催される「名古屋まつり」に最後の撮影を行い、11月に編集、年度内に配布を予定する。

 45分〜60分のDVD作品に仕上げ、2,000枚を制作。行政、博物館、資料館などの名古屋の各施設、山車保存会、小中学校、高等学校などに無料配布し、「教材や名古屋のPR、資料として保存していただくなどしてほしい」。現在スポンサーを募集している。完成作品DVDを進呈するほか、エンドロールに個人名または法人名を掲載する特典を用意する。